20位からの再起 ―数字と対話で積み上げた4年間


本当に心を揺さぶるのは、栄光の瞬間そのものではない。

そこへ辿り着くまでの、幾度も打ちのめされながら這い上がる過程ではないだろうかスピードスケート日本代表 新濱立也選手のサポートを担当している私は、そう感じずにはいられません。



折れない覚悟と、支える覚悟




北京2022冬季オリンピック。



金メダル候補と呼ばれていた 新濱立也選手でしたが、結果は20位。計り知れない悔しさを胸に、彼は再び歩き出しました目標はただ一つ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。



ただ、その道のりは平坦ではありませんでした。



2024年、そして2025年選手生命を脅かす大怪我が、2年連続で彼を襲います普通なら、心が折れてもおかしくない。それでも彼はこう言いました。「絶対にあきらめず、ミラノ・コルティナ2026で頂上まで登りつめます」それは、彼が初めて口にした明確な"宣言"であり、同時に、私自身の覚悟も決まった瞬間でした。



2025年9月、徹底した食事調査を実施回復に必要なエネルギー量、摂取と消費のバランス、コンディション変数を感覚ではなく数字で洗い出し、練習負荷と食事計画を連動させるフレームを整えました。



記録と、確信と、再びの試練




12月、選考会を兼ねた全日本選手権



この日のために、科学的根拠に加え、彼の「好み」も両立させた献立考案アスリートの食事は、正しさだけでは足りない。「食べたい」と思えることが、コンディションに直結する。そう考え、夏前からチームで何度も試行錯誤した献立を用意しました。



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心身ともに整った状態でレースに臨んだ彼は、国内最高記録を叩き出し、見事ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックに内定。直後に森重航選手その記録を塗り替えられましたが、これまでの準備が「自信」から「確信」に変わった、忘れられない瞬間でした。



2月初旬、本番に向けて新濱選手がミラノに到着。



直前のワールドカップによる疲労もあり、コンディションを落としていましたが、私に焦りはありませんでした現地の練習負荷とコンディション変数の推移に合わせ、摂取量や必要な栄養素細かく設計数日単位の微調整を重ねる中で、言葉や表情にも前向きな変化が生まれていきました。私たちは、食事とコミュニケーションがコンディションづくりの一部であることを、改めて現場で学び続けています。



今、氷に立つ意味




2度の大怪我プレッシャーを乗り越え、今まさに新濱選手は氷に立とうとしています2月14日のレース。結果はまだ分かりません



それでも、今の彼は、4年前より強い。



皆さんの声援が、最後の一歩を押してくれどうか、届きますように。



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<味の素㈱はTEAM JAPANゴールドパートナー(調味料、乾燥スープ、栄養補助食品、冷凍食品、コーヒー豆)です。>