味の素㈱は、2022年7月1日より「ビクトリープロジェクト®」の一環として、パリ2024オリンピック正式種目となるブレイキン(ブレイクダンス)への栄養サポートを開始。以降、合宿や大会で緊密なコミュニケーションを図りながら、競技、選手への理解を深めてきました。
2024年夏の国際大会に向けて2023年8月7日(月)~8月11日(金) 、ブレイキンの日本代表強化選手を対象に、フランスにて事前合宿が開催されました。本番と同じ環境を体験し、ベストコンディションで臨むためのイメージづくりをすることが事前合宿の狙いです。
「ビクトリープロジェクト®」の上野も現地に出向き、本番のスケジュールを想定した、食事と補食を提供するサポートを実施しました。
<目次>
1、体内時計の調整
2、暑熱対策
3、一年後を想定した「勝ち飯®」提供
4、合宿地 ビトリシュルセーヌ市の方々とのワークショップ
1、体内時計の調整
今回の合宿では、主に体内時計の調整と、暑熱対策に着目。
体内時計の調整を行う目的は、バトルの時間に合わせてカラダをベストな状態に持っていくために、どのようなタイミングで何を食べれば良いかを選手たちに理解・実践してもらうためです。
体内時計の調整を行う中で必要になってくることは、
①朝食をしっかり食べる ②補食でつなぐという2点です。
①朝食をしっかり食べる
2024年夏の国際大会では、16:00~18:00に予選ラウンド、20:00~22:00に決勝ラウンドが行われます。移動時間やウォーミングアップの時間を含めると、食事をしっかりと摂れる時間帯は朝食のみとなり、その他の食事は補食で繋ぐ必要があります。そのため、唯一しっかりと食べることの出来る「朝食」の大切さを選手たちにお伝えしました。
②補食でつなぐ
朝食以降もエネルギーを切らさないために、選手たちは定期的に「補食」を摂る必要があります。今回は補食として、選手たちに「Power Ball®」※、「アミノバイタル®」、「たんぱく質がしっかり摂れるスープ®」「たんぱく質がしっかり摂れる味噌汁®」、白米を提供しました。様々な形態の補食を用意したのは、選手たちに今摂るべき補食が「固形物が良かったのか・それともゼリーの方が良かったのか」を体感してもらうためです。
その他にも、「何を食べてエネルギーをつなぐか」「どのくらいのボリュームで食べるのが良いか」を選手各々に試してもらい、自分のベストな補食・タイミングを把握してもらえるよう、シミュレーションしやすい環境を作りました。

※「ビクトリープロジェクト®」が開発した、「ほんだし®」入りの小分けおにぎり
2、暑熱対策
2024年夏の国際大会でブレイキン競技は、夏の野外で開催されるため、今回の合宿で着目していた2つ目が暑熱対策です。
選手たちは、
①深部体温を上げない。
②体内の水分が失われないようにする。
③Na、K、Caの損失を補う。
この3つのポイントをコーチ陣から教えてもらいました。
ポイントの1つである
「深部体温を上げない」ためには、手のひら、足の裏、両頬を冷やすことが必要になってきます。そこで、バトルのタイミングで摂取するゼリーを予め冷却しておき、バトル間で握って冷やし、また、バトル間にゼリーを摂取することで深部体温を冷やすことを実践してもらいました。
ポイントの2つである
「体内の水分が失われないようにする」ための対策として、今回は、選手たちに経口補水液「アクアソリタ®」を提供。水やスポーツドリンクに比べてより速く水分をカラダに取り込み、取り込んだ水分もしっかりキープすることが出来ました。
3、来年を想定した「勝ち飯®」提供
合宿中は、バトル当日のスケジュールを想定し、1日2回の食事と補食を提供。コンディショニングに必要な栄養素となるビタミン・ミネラルが豊富な緑黄色野菜、エネルギー補給のための炭水化物、低脂質な肉や魚、食欲のスイッチをオンする汁物を準備しました。
選手たちからは、食べやすさ・安心感などから、「具だくさん」の汁物が好評。また、「低脂質カレー」は、脂質を気にする選手たちにとって魅力的だったようで、非常に喜ばれました。

食事前には、「ビクトリープロジェクト®」上野が選手たちの毎回の食事を撮影。選手たちにもお腹の調子や食事の減り具合がどうか等、メモをしてもらいました。今後の指標として後日振り返られるようにするため、そして選手たち自身に一食あたりの食事量や食後の感覚を掴んでもらうためです。また、ビュッフェスタイルで提供することで、選手たちに「今の自分に必要な栄養が何か」を考えてもらい、日々の栄養摂取への意識を高めてもらう工夫も行いました。
4、合宿地 ビトリシュルセーヌ市の方々とのワークショップ
8月9日には、ブレイキンの日本代表強化選手と、合宿地にお住まいの方たちとのワークショップを実施。競技レベルにあわせたダンスレッスン、チーム対抗でのダンス発表会に続いて、交流会が行われました。

当社は、味の素グループの欧州味の素食品社と連携し、フランスでも大人気の「ギョーザ」と、フランスを代表するお菓子の「マカロン」を提供。子どもから大人まで大好評でした。(※これらは、欧州味の素食品社がフランス国内で生産している製品です。)

2022年から始めたサポートもいよいよ中盤に差し掛かっています。残り1年を選手たちの更なる飛躍の年にすべく、「ビクトリープロジェクト®」は引き続きサポートを行います。
