「勝ち飯®」アンバサダー・松田丈志 日本最長トライアスロン236.2km走破!「自分超えプロジェクト」2022を振り返って

元競泳日本代表選手で、現在「勝ち飯®」アンバサダーを務める松田丈志さんがさまざまな競技にチャレンジする「自分超えプロジェクト」。2022年は、日本国内の大会で最長距離を誇る佐渡国際トライアスロン(新潟県・9月4日)Aタイプ(計236.2km=スイム4.0km、バイク190.0km、ラン42.2km)に挑み、13時間56分01秒(全体322位、35-39歳区分32位)で見事、完走を果たしました。

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松田さんがこのAタイプ完走を目標に掲げたのは3年前のことでしたが、新型コロナウイルスの影響で2年連続の開催延期に。そうした背景の中、ついに実現した挑戦に向け、どのような準備を進めてきたのでしょうか。仕事の合間を縫いながら、食事やトレーニングでどのような意識を持って取り組んできたのかを中心に、振り返ってもらいました。

レース半年前から本格始動!準備段階で意識したことは?

――まずは今年の佐渡国際トライアスロンAタイプに向けて、どのような心づもりで準備を始めたのか、教えてください。

松田 今年はようやく開催されるという空気感が出てきたので、年明けからサポートしてくださる方々と今回の挑戦に向けて計画等の話し合いをスタートして、 実際には3月から本格的に動き始めました。レース本番まで約半年、たっぷり時間があったので、食事もトレーニングも余裕を持って進められるような計画を作って取り組んできました。

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――3月に88.3kgだった体重を、半年間で80.5kgまで減量して本番を迎えました。どのように体重を落としていったのでしょうか。

松田 236.2km、12時間以上かかるレースの完走を目指すわけですから、 単純に体重を落とせばいいというわけではありません。80.0kg台を目安にしつつ、まずはトレーニングでカラダを作ることを前提に、どのくらい自然に体重が落ちるものか、確認するところからスタートしました。最初は5kmのランや20〜30kmのバイクでもきつかったですが、それぞれの距離を少しずつ伸ばしていきました。スマートウォッチで月間(直近4週間)の走行距離を確認できるので、ランは週2〜3回の頻度で月間走行距離が100kmを超える事を一つの目安にしました。毎回均等な距離を走るのではなくどこかで20km、30kmとレースを想定した長い距離を入れる形で取り組みました。また、今回はブリック練習(バイク30km+ラン10km等)も多く取り入れましたね。85kg台までは順調に落ちましたが、6月頃まではしばらく落ちづらい時期が続きました。6月頃からは気温も上がってきてトレーニング量も増やせるようになってきて体重も落ちてきました。

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――食事について、意識していた点はありますか。

松田 「勝ち飯®」では3回の食事と補食が重要なので、食事の回数を減らすのではなく、一回に食べる食事量を減らすようにしました。食事内容は脂質が多い油物を控えたり、翌日の朝食の食べる量に影響がでるし、身体にも蓄積しやすいので、夜遅くに食事を摂らないなど、基本的なことを意識したぐらいですね。調理方法は炒めるよりも、茹でや蒸しにして、脂質に気をつけました。また、味付けもシンプルにすることを意識していました。
一方で、好きなものを無理やり断つようなことや禁酒のようなことはやりませんでした(笑)。晩酌はほぼ毎日していた気がします。例えば好物のラーメンは夜ではなく朝や昼、食後にまだまだ活動するタイミングに食べていました。

普段の食事でいえば、豚しゃぶや鶏しゃぶなど、野菜も一緒に摂れる鍋物はよく食べましたね。野菜は地元や知り合いの農家から取り寄せて、オリーブオイルと塩をかけてシンプルに、食材の味を楽しみながら食べるのも好きです。大根を細くスライスしたものはよく食卓にあがりますよ。鍋に入れても、オリーブオイルと塩で食べても美味しいです。

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「Cook Do®」や「鍋キューブ®」もよく活用していました。これらは栄養バランス良く、ガッツリ食べれるので昼食や夕食時に活用しました。

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あとは、魚です。同じたんぱく質でも肉だと脂がついてきますが、魚はそこまで脂が多くないので。トレーニング後はたんぱく質と炭水化物が摂れるので、スーパーの寿司セットが重宝しましたね。
お酒については、もともとビール好きなのですが、自宅の晩酌では糖質ゼロのビールや、ビールより糖質の少ないハイボールや焼酎を選ぶようになりました。

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――そのほか、減量する上で気をつけていた点はありますか?

松田 毎日、体重や体脂肪といった身体データを計測して記録したことです。1日の中でも朝・昼・晩と測る時間帯が異なるときもありましたが、まめに計測してその後の食事量ををどれくらい食べていいか考えながら調整していました。主観ではなくデータで判断できるので重要だったと思います。

――仕事柄、出張や会食(外食)も多いと思いますが、その際の食事で気をつけていたことはありますか?

松田 日本一長いレースを完走するためのトレーニングに取り組む習慣がついてくれば、カロリー的にも一般的な会食を楽しんでも影響ない状態になっていました。会食のときはバランスよくいろんな料理が出ますしね。ただ、会食や外食は週12回程度におさえるようにしました。
出張のときは体重を測れませんし、会食の機会が増えるので危険ポイントでした()。地方に行くとその土地の美味しいものを食べたくなりますからね。例えば会食後はサウナに行ってしっかり汗を流してから寝るとか、翌朝に絶対に走ると決めて会食に向かうとか。そこは強く意識したと思います。逆に出張中をリカバリー期間にすると考えて、出張前に負荷の高い練習を済ますこともありました。そうすれば出張先でも気兼ねなく美味しいものも食べられる。ですので、向こう1~2週間の仕事の予定を見ながら、トレーニングのスケジュールを立てることは意識していました。

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――負荷の高い練習の後は、どのようなメニューが多かったですか?

松田 炭水化物系は蕎麦や白米が中心、あとは脂質の少ないたんぱく質をおかずにして摂ることが多かったですね。例えば、納豆オクラねばねば丼(卵の黄身入り)とおそばのセットに、卵焼きとウインナーもついていたメニューです。朝、ボリュームの多い練習の後によく食べていました。

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――「勝ち飯®」では3回の食事でバランスよく5つの輪(主食、主菜、副菜、汁物、乳製品)を摂ることが大事です。松田さんの食事写真を見ていると乳製品があまり見当たらないようですが、乳製品については?

松田 朝はヨーグルトで乳製品を摂ることが多いですが、それ以外はなかなか摂る機会がないので、自分は1日の中で1、2回、カフェラテを飲んでいました。うちはエスプレッソマシンがあるので、牛乳で割って飲んでいます。食事時でなくても1日トータルでどこかで摂取することを心がけていました。

――読者の中には料理が苦手な方がいると思いますので、そういう方にお勧めしたいメニューや食事の活用法について、アドバイスをお願いできればと思います。

松田 僕自身も料理は作らないので、一番身近なのはコンビニの活用です。おにぎりやゆで卵、インスタントスープに魚の練り物(かまぼこや魚肉ソーセージ)などを買えば、最低限の「勝ち飯®」を揃えられます。朝食ならおにぎりの代わりに数種類のシリアルとヨーグルトでもいいです。あとは前に触れたようにお寿司セットでしょうか。また、チェーン店系の蕎麦屋や、ジムで売られているたんぱく質が摂れるサラダも活用しました。

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基本は食事でたんぱく質、補食として「アミノバイタル®」などを摂取しましたが、小腹がすいたときには卵や納豆、あと無塩ナッツなどを好んで食べていました。自然とたんぱく質も摂れちゃいます。


レース中に効果的だった、咀嚼(そしゃく)と「だし」の効いた味噌汁

――さて、レースが近づいてきた時期は、練習量を減らして疲労をとりながら調整していくと思いますが、食事の摂り方についても変化はありましたか?

松田 大体レースまでの2週間は、疲労を取るなどのリカバリー期間にしていました。その間は運動量が減るのでそれまでと同じ量を食べるわけにはいきませんが、適量の炭水化物、脂質の少ないたんぱく質を摂り、レース用のエネルギーを蓄えることを心がけていました。
ただ、「適量」というのは人によって違いますので、自分の体重を確認することが大切です。自分の場合、レース直前には80.0kg近くまで落ちていて、レース前日に佐渡で有名な回転寿司でしっかり食べて81.0kgくらいでレースを迎えていたと思います。

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――レース当日、スタート前の最後の食事はどのくらいに摂りましたか?

松田 今回はレース開始が6時だったので、3時半に起きた後、ホテルに用意していただいたちょっとしたお弁当を食べつつ、味噌汁を飲みました。味噌汁は「だし」の効果で内臓の働きを活発にするためです。その後、レースまでは「アミノバイタルⓇゼリー」や「パワーボール®(ほんだし®を混ぜた小さいおにぎり)」、「アミノバイタル®プロ」などを適時、摂りました。

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――レース中にはどのようなものを摂りましたか。

松田 持参したのは、「パワーボール®」に味噌汁ボトル2本、「アミノバイタル® アミノショット®」の青と赤、「アミノバイタル® 電解質チャージ」ウォーター(2022年3月終売)と「アミノバイタル® クエン酸チャージ」ウォーター、あと自分を励ますために和菓子を持っていきました。

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意識していたのは、エイドステーションで提供されるものも含めて固形物を適時、できるだけ摂ることでした。これはロングのトライアスロン経験者に教えていただいたことですが、固形物を咀嚼すると唾液が出て、内臓の動きにつながります。内臓の動きが活発でなくなると、レース中にエネルギー補給ができなくなり、それは10時間以上運動を続けるロングのレースでは致命的です。最後のランは上下動でカラダが揺れて固形物を摂りづらくなるので、スイム後のトランジション(バイクへの準備)からラン前までに固形物をできるだけ摂りました。また、ゼリーやドリンクばかりだと口が飽きてしまうので「味変」の意味で豆大福をバイク中に食べて、気持ちの面でリフレッシュする一方、血糖値を一気に上げるコーラは控えました。

――その中でも効果を感じたものはありますか?

松田 今回は、味噌汁です。本来は200mlくらいのインスタント味噌汁を300mlくらいに薄めてバイクで1本、ランで1本、飲みきりました。何が良かったというと、カラダの「循環」を実感できたことです。長い時間運動すると、内臓の動きが悪くなり、エネルギー補給ができなくなったり、多くの飲食を繰り返しても尿が出なくなりがちなのですが、今回は最後までしっかり補給できましたし、今回は合計4回くらいトイレにも行きました。これは今までのBタイプや50kmトレランのときには得られなかった感覚でした。これも「だし」の力が内臓の動きをサポートしてくれた証拠かなと思いました。

――2022年の「自分超えプロジェクト」を終えて、改めてパフォーマンスと食事との関連性で感じたことはありますか?

松田 パフォーマンスの土台になるのはカラダ、そのカラダを作るのは食事であることに変わりありません。今回の挑戦にあたり良かったのは、専門家やコーチの方から食事や減量方法を学び、実践方法をうまく模索できたことです。正しい情報を基に、無理なく継続できるような食事を摂れば、カラダも変えていける。また、今回の挑戦を通してカラダだけでなく、自分のメンタル的にも非常に良い影響があり、仕事や日常生活にもハリが出たと思います。今回、2年半のコロナ禍を経てAタイプを完走したことで、ようやく前に進み始めたという実感をつかめました。

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――最後に、松田さんのように「自分超え」に挑戦している方々へ向けて、メッセージをお願いします。

松田 自分自身が心地良いかどうか。これが一番大切だと思います。今回のチャレンジを通して知り合った人の中には、佐渡の後にすぐに違うレースに出ている人達もいて、えっ凄いな!思いましたが(笑)、その方々は自分達のペースで、レースに出たいから出ている訳で、僕自身は今年は佐渡国際トライアスロンAタイプ完走が最大の目標だったので、今は少しのんびりしています。人と比較するのではなく、自分の仕事や家庭生活も含めてそれぞれが自分が心地良いポイントを探る。それが一番長続きして、心身の健康にもつながると思います。

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